
製本作業の数ある工程の中で、最難関ともいえる作業がコレ。本文紙の小口をカッターできれいに切りそろえる作業、「化粧裁ち(けしょうだち)」です。
手製本の作品の場合、こうした化粧裁ちをしなくて良い、という考えをすることもありますが、したほうが良い局面に遭遇することもあるので、今回はこれについて記しておきます。
【右利きの方を対象に書かせてもらいます】
*使う道具について
定規は直角のとれる定規(縦と横に5mm間隔の線が引いてあるもの)で、金属が埋め込まれているものが使いやすいです。
カッターは、私は一番一般的な「NTカッターA-300」を愛用しています。カッターの刃は、切る対象物の厚みにもよりますが、5mm厚さくらいのものなら2〜3刃、出しておけばよいでしょう。カッターの刃を長く出し過ぎると、刃が湾曲しやすく仕上がりが歪みます。
カッターの刃は、使う直前に必ず一度折って、新しい刃にしておきます。
*切り始める方向
【今回切っているブロックは、16頁を大きな用紙に面付けして折って作った折をかがったものではなく、4頁×4枚を重ねて16頁の折を作ってかがったものです。つまり、小口側に袋はありません】
本の天や地を裁つ際は、折り山になっているほうから切り始めます。というのも、折ってある部分は抵抗があるので、その部分が最後になるとそこで切り口が歪むからです。
したがって、縦組の本の天の小口、横組みの本の地の小口を化粧裁ちする時は、表側からでなく裏側から作業したほうがうまくいきます。
*力の入れ加減
まず、左手で定規をしっかり押さえます。左手は、切る用紙の最後の1枚が完全に切り離されるまで、絶対に動かしてはなりません。
カッターを握る右手の肘は、やや落とし気味にして、できれば立って作業します。カッターを使う右手には力を入れません(力を入れると、カッターの刃が湾曲して曲がります)。
カッターの刃は、定規の金側面に必ず当てるようにします。カッターの刃は両刃なので、刃がぴったり定規に接するためには、気持ちカッターを内向き加減に傾けると良いようです。
*いよいよ切ります
裁ちは、一度に何枚も切ろうとするとカッターを持つ手に力が入って刃先が曲がるので、1枚ずつ切っていく感覚で行います。
定規はしっかりおさえ、カッターは力を入れずにゆっくりと上から下へと動かします。切る対象物の数cm上方から始めて、切る対象物の数cm下方まで、同じ力加減でカッターを動かしていくようにします。
この作業を繰り返し、最後の1枚が完全に切り離されるまで、何度も根気よく切っていきます。
繰り返しますが、最後の1枚が本体から離れるまで、左手の定規は絶対に動かしてはなりません。
*それでもうまくいかなかったら
上手に出来るようになるためには、練習が必要です。
でも、難しいので、なかなかうまく出来るようにはなりません。その場合の修正方法については、次回記します。